ストーン・チャーチによって、Church'sの靴が産声を上げたのは1675年、これは、クロムウェルという私たちも知っている西洋の歴史上人物が登場する時代らしいから、気が遠くなるほど昔のこと。
その後、その技術が伝承され、彼のひ孫のトマスとその嫁のエリザによって、1873年、初めて「工場」が現在の生産地ノーサンプトンにオープンした。
1880年代までには、このチャーチの靴の名声は英国内全土に広がり、その時の経営者、ウィリアム・チャーチは、イギリス国内から来る注文ために、国内全土を駆けずり回っていたらしい。それは、当時「アダプタブル」と呼ばれた、世界大博覧会で金賞を受賞した「左右が違う、幅が6種類」を揃え、また「その素材と、ハーフインチのサイズから」選べる靴だった。当時は、右と左の靴が同じ「ストレート」といわれる靴が当たり前だったというから驚きである。このウィリアム・チャーチは、現代の靴と同じスタイルを発明した、いわば靴の分野の発明家とも言っていい。
その後、第2次世界対戦中には、軍隊の靴に起用され、1965年には、現在のエリザベス女王の訪問と共に「エクスポート・アウォード」という賞を受賞したことが、世界的に名声を定着させている。
1999年に、Prada傘下になり、巨大資本の注入が世界への店舗展開、高い生産能力と新しいラインの開発を可能にしたようだ。
その商品自体のクオリティーで、特筆すべきところが、今でもメンズの靴は、昔ながらのノーザンプトンの工場で、250もの工程を経て、8週間もかけて手作りで作られる。また、その製法は、アッパーと呼ばれる靴上部の部分と、ソール(靴底)の部分を、「ウェルト」とよばれる手切りした革に、それぞれを縫い付けることで、靴底を簡単に、また完全に取り外すことを可能とし、それは新しい靴底で、靴の2度目の人生を可能としているということだ。
ロンドンのどこの店舗でも、いつ買ったに関係なく、またそのレシートがなくても、Church’sの靴であれば、その修理はいつでも快く受け付けてくれる。(※下参照)
チャーチのレディスの靴は、1999年プラダ傘下になりイタリアで作られている。そのデザインは、定番のスタイルに新しい流行が取り入れられ、昨年から、メタルとクリスタルストーンのスタッド(鋲打ち)がされた靴が人気を博している。
ロンドンのボンドストリ-トには、メンズの本店の数軒隣に、「レディボンド」と呼ばれる世界に1店舗しかない、レディスシューズ専門の Church's ショップがある。小さい店舗はいつ行っても、ソファで試着しているお客さんが数人いて所せまし。
日本にはたくさんあるスタイルの限られた型しか入っていないよう。そんなチャーチの靴やバッグを、メンズも含めてこれからご紹介していきます。ご期待あれ!
>英国伝統の靴、Church'sの商品のリストはここからどうぞ
(※当サイトで、当サービスでお買い上げでない方のChurch'sの靴の修理の受注を賜る予定です。詳細はこれからご紹介しますので、ご要望の方は、お問い合わせください。)