ここロンドンでも、日中は春めいて、青空の広がる今日は、澄んだ空気共に葉っぱのない木々はとても美しく、その青空に反射します。
そろそろ、ロンドンに観光を考えておられる方、19世紀をそのまま経験できるお気に入りのレストランを紹介させていただきます。
ここのランチはそこらの高級レストランよりも、ずっと優雅な気分にさせくれます。
わたしが、まだファッションの学校で勉強していた2006年は、カフェは地下の角に位置する所にあったのですが、現在のこの豪華なインテリアの3つルームからなるカフェは、1863年当時と同じ目的で作られた場所に再オープンしています。
(定かでないけれど、数年前にカフェとして再オープンした模様。)
今回お客様の、カジュアルなファッションでランチがゆっくり楽しめるところとして、このヴィクトリア&アルバート博物館内にあるカフェにご案内しました。
カジュアルなランチも提供してるこのカフェは、食事のおいしさで受賞しており、Timeout(雑誌)のおすすめのカフェレストランの一つです。
このヴィクトリア&アルバート博物館が作られた当初の目的は、アートや勉学に熱心だったビクトリア女王と、その夫アルバートの夫婦が、「働く人たち(ワーキングクラスの遠回し後)にも教育を」というテーマで、無料で、また勤務が終わった夕方からでも来れるように、と工夫がされてオープンしました。
この中庭から望む入口が当時の正門で、そこから入ると、真正面にこのカフェをの望むことになります。
当時朝9時から開いたレストランは、朝食から提供していたようです。ヴィクトリア時代の当時の人たちにも、この圧巻の手の込んだインテリアには、大変な驚きだったようです。夜に来た人には、当時としては初めての、人口のライトが取り入れられた所です。
カフェ・レストランは、3つの別々の部屋からなります。
そのメインのギャンブルルームと呼ばれるルームは、そのデザイナー、James Gambleの名からその名前が付けられました。
内装は、壁、柱は、すべて陶器のタイル張りで、清潔に洗えるように工夫され、天井には、エナメルのコーティングが施され装飾された鉄板が貼られています。
このカフェは、火災がとても問題視されていた当時、博物館の中で唯一の耐火構造としてデザインされています。
そして、横につながる当時はグリーン・ダイニングルームと呼ばれていた部屋は、詩人、テキスタイルデザインで知られるウィリアムモリスのデザインです。
まだ若かった彼の、初めての大きな仕事だったそう。
壁の、立体的に盛り上がるオリーブの葉と、金色を使った木々の絵が描かれたパネル、天井の縁取りには、エリザベス1世女王時代(1700年代)の影響が色濃く残ると書かれていますが、当時としては、コンテンポラリーなデザインを取り入れたと言われています。
友人の建築家フィリップウェブが壁天井のデコ、アーティストのエドワード・バーンジョンズがステンドグラスを協力した作品になっています。
そして、最後がポインタ―ルーム。
ここは、当時はグリル・ルームと呼ばれていて、ジャポニズムが流行った頃、日本がイメージ部屋です。
この大きな暖炉に見えるオーブンの扉の蝶番には、江戸時代のようなヒンジが使われています。横にコックが立ち、ステーキやチキンのお肉が焼かれ朝食やランチに出されていたようです。
壁は、オランダ様式の手作りタイルで、これは近所にあったアート学校の女学生たちの手によって描かれたと書かれています。
1870年代は、人々の興味やファッションが東洋に写り、東洋のモチーフが使われておりストーブの回りの柄は、日本がテーマとされています。
これらの3つのルームのデザイナーを選んで、それぞれを作らせたのは、当時のクリエイティブディレクターのヘンリー・コールという男性です。 彼は、当時アバンギャルドと言われ、新しいものを常に取り入れる男性で、彼が発明した、新しアイデアが至る所に使われています。
いつの時代も革新的な人が新しいものを次の世に送りだすきっかけになるのですね。
このカフェは、美術品と共に、必見の所として要チェックです。