わたしは、人が送る多彩な人生に多大な興味があり、観光のご案内でお会いするお客様からお話しを聞くのが楽しみです。
2014年2月に、9日間ご案内させていただいたお客様は、その中でも特に印象に残る方でした。
人には、年齢に関係なく、その魂、精神の成長過程があると思うのですが、その典型的な例が、女性の教育のために命を惜しまず毅然と戦う活動家、イラン出身のマララという16歳の女性。
(イラン国内でタリバンから頭部を銃で撃たれ、脳が損傷し、イギリスバーミンガムで手術、現在バーミンガム在住)
回復後、UNミーティングでの彼女のスピーチの、その自信と説得力には、感動以外の何物でもありません。
個人ガイドのお客様、Mr.T.Sさん
2月にお会いしたお客様は60才。その不幸な生い立ちと、20の会社を経営されるその社会的成功した地位とは裏腹な、地位を感じさせない子供のような無邪気な精神と、青年のようなチャレンジ精神をお持ちの楽しい方は、そうそういる方ではありません。
お客様なのに、いつも私がお話を聞いて、お腹を抱えて笑っていることを経験したのは、今回が初めてでした。
お話しを聞くと、肝臓を移植されて、体力もとても心配な状態での9日間のご来英。たまたま、出発前に発生した、はく離骨折がまだ完治していない状態を抱えての旅行。その上、3か月後には、カナダへ3週間の登山旅行が決まっているとは、いったい??
ロンドンの観光
ロンドンの観光の内容は、
①ホースガーズ、
②バッキンガム宮殿、
③チャーチル戦争ルーム、
④ナショナル軍隊博物館、
⑤ハンプトンコート宮殿、
⑥V&A博物館、
⑦大英博物館、
⑧東ロンドンマーケット、
⑨セントパンクラスホテル、
⑩バラーマーケット、
⑪歴史の最古バプ、
⑫シャ-ロックホーズム博物館、
⑬ウエストミンスター寺院、
⑭セントポール寺院、
⑮テムズ川ボートクルーズ、
⑯ロンドン塔などなど。
これだけを、けがを負った状態で見たいという強い願望が、私には頭が下がります。 ロンドン中をたくさん歩いて経験してもらいました。私は中間に一日休憩、お客様は休憩なしです。
その中で、いちばん生き生きされたのは、日本人男性が握る極上のお寿司屋さんYashinへの夕食をご案内したとき。お客様が、その寿司職人さんと共通のお知り合いを発見された、これは楽しい経験でした。
「なんとなく、たのしい言葉が浮かんでくるんだよね」
毎日100枚のカードに従業員の方たちにメッセージを書かれ、日本へ送っておられました。
そのたくさんのロンドン経験の後、9日間が短く感じ、ご帰国の飛行場へお送りした後、いただいた封筒の中にカードが入っていました。
「神の祝福が いつも ありますように
願い事か 全て かないますように
いつも人のために なりますように
人があなたのために なりますように
星まで続く はしごを作り
ひとつひとつの段を ゆっくりのぼり
あなたが いつまでも 若くありますように
常に勇気を持ち 心をたて 正しい道を歩き
いつまでも あなたが若くありますように」
帰りのヒースローエキスプレスの電車の中で読むこのカードが、目に滲んでみえなくなりました。
(後日談はこちらから、ブログ:「追悼、特別な人生を生きた素花さん」〜個人ガイドのお客様〜)