写真のないある夜のロンドンの風景:満月

目が覚めると、天井までの2つの窓から、大きく月明かりが部屋を明るくしていた。窓をのぞくと、まん丸な満月。


月明かりが消えないように、そのまま裏庭に出ると、星とともに空にいるのは小さく糸のように引き出される夜の飛行機雲。

高い木のすぐ後ろを飾る満月の月。

その美しさを切り取りたくてカメラを取りに戻る。

すると今度は、ヒースローから飛び立った幾つかのライトをつけた鳥サイズ飛行機が、かすかな轟音をたてて去って行く。

自然の夜景を収める技術を持っていないカメラにがっかりする。
美しい瞬間は切り取って、記憶にしまっておこう。