V&Aで見ることができるこのチャールズ一世の肖像画。
チャールズ1世は、1600年生まれ、クロムウェルが率いた2回の市民戦争に負け、(約束を守らなかったちょっとずるい王だったよう)1649年に処刑されるまで、25年間王位に就いていました。
しかし、勇敢でもあったようで、処刑された1月の真冬の寒い日、白いブラウスで処刑台に昇る際、怖がって震えているように見えないように、下着を何枚も着込んで処刑に望んだというお話が残っています。
【3面の理由】
さて、1636年ヴァンディックという当時イギリスで活躍してたローマ出身の画家によって描かれたこの絵は、イタリアの彫刻師バニーニに胸像を作ってもらうための材料として描かれました。3方から描れているのはそのためです。
下の写真はクリックすると拡大できます。
よく見ると、この襟の3本のデザインが微妙に違うのは、彫刻家に選ぶ選択を与えたものらしいです。
【レース襟は富の象徴】
17世紀当時の男性のファッションは女性のファッションに劣らずレース使いは華やかなものでした。とくにこの王の襟に使われた大きなレースは、何本もの細いレース糸で細かに織っていく、1年はかかる作業で、当時としてはアストンマーチンの車(£160,000 =2,720万円)を持つようなものだったそう。
別の柄が書かれているということは、少なくとも2-3枚は持っていたことですね。
【男性の流行のヘアスタイル】
さて、もう一つ気になるところが、この王のヘアスタイル。左右の横顔のかもの長さが違いますね。当時の男性のファッションだったらしい、左右対称の長さの違うヘアスタイル。
17世紀の男性はパンクだったのね。
今度V&Aに行かれる機会があったら探してみてください。
けっこう色々な物の間に、ひっそりあるのでつい見逃さないように。