フォートナム&メイソンのクリスマスと歴史

1707年に始まった、ロンドンピカデリーにあるフォートナム&メイソン。

どのようにして始まったのか知っていますか?

 

それは、女王に仕えるフットマンだったウィリアム・フォートナムと、その大家だったフュー・メイソンの2者の共同により始まったんです。

 

1705年、もともとオックスフォードから来たハイクラスの建設業者だったフォートナム一家。(1666年のロンドン大火で消失したメイフェア地区の建築の再建のため) ウィリアム・フォートナムは、アン女王に仕えるフットマンに昇りつめ、そしてフュー・メイソン所有の家の一部屋に住んでいました。

 

おもしろいことに、アン女王に仕えるウィリアム・フォートナムは、当時、毎晩新しいキャンドルに火をつける習慣のあった王室から、大量にでる半分だけ残ったキャンドルを再製したキャンドルで、サイドビジネスで成功していたという。(宮殿から出るお給料のほかですよ) もうすでにビジネスマンの兆しが。

 

そして建物のすぐ後ろにあるSt.Jamesマーケットと、すでに自分の家に小さなお店を持っていた大家さんのヒュー・メイソンと、グローサリー(八百屋)を始めることになったのは難しくなかった、これが、現在につながるFortnum & Masonのはじまりとなるのでした。

 

1700年代半ばの東インド会社から紅茶の輸入で成功したことが、現在のデパート(F&Mはデパートなのです、知っていましたか?)の成功につながったことは言うまでもないけれど、驚くことに、もう一つの新情報。(古い情報?)


1794年から45年間あまり、1839年の国営の郵便局(British Post Office)が始まるまで、フォートナム&メイソンが手紙を届ける郵便ビジネスを提供していたんです。有料、無料の多数の手紙を届けていました。 ここでも、フォートナムがアイデアを持っていたビジネスマンだったことが伺えます。

 

さて、ウンチクはさておき、今のクリスマス前のお店の様子を写真で見てみましょう。

これが、ビジュアルマーチャンダイザーのウィンドウディスプレー。側面のウィンドウです。正面でなく側面の玄関から入ったほうが、素敵な2人のグリーンの執事さんが迎えてくれます。さて、中に入ってみましょう。


そう、これがその彼ら。足元を照らす3本のキャンドルスティックを持ってくれています。 その双方の横には、クリスマスツリー。 


この人形の左右から下へつながる階段で階下へ下ります。階下は2007年にオープンしたばかりのフレッシュフードの階です。



1931年以来、初めての海外進出がなんと日本の店舗。現在は日本に2店が出店しているそうです。みなさん、私よりご存じのはず。

 

日本の「土佐のもん」の焼酎に混じって「武士に二言なし」の侍 Fat Samuraiには、笑えました。ロンドンのメイフェアで武士の哲学が通用するかな?

 

した左のハギスは、スコットランドの名産、豚?の臓モツが腸詰されたもの。ロンドンの真ん中で売っているのが珍しい。

 

フロアーの真ん中に行くと、吹き抜けになり上階へ。

上階はみなさんご存じの紅茶とビスケット、ジャムなどの売り場。

 

壁ヨコに付けられた時計があるのですが、(ごめんなさい写真なし)これは、ビッグベンと同じ時計メーカーにより、1964年に付けられ、15分おきに6個のベルが音楽を奏でます。

 

また記憶しているのが、コインを入れると奏でられるオルゴールもあるので、探してみて。音楽が結構美しく大きく奏でられるので、皆がきょろきょろする姿が結構楽しいです。


4階には、生のピアノの演奏を聴ける新しいアフタヌーンティの、素敵なフロア「ジュビリー」もオープンしています。

 

下の写真は、いかにも往年の1920年代のアールヌーボーの時計が出口の上に。何もかもがとてもいい味の古い物がひっそりと演出してます。

フォートナム&メイソン情報、次の機会にぜひ探してみてください。