個人のアートコレクターの美術館としては最大で、しかも入場無料のおすすめ美術館がある。
チェルシーのDuke of Yorkスクエアにあるサーチギャラリー(Saatch Gallery)だ。
2008年にテムズ川沿いからこの場所に移って来てたこの美術館は、コンテンポラリーアート(超現代美術)専門の美術館といっていい。
とくに、ここで展示されるアートは、まったくの無名アーティストの作品を展示し、イギリスのアートシーンに多大な影響を与えている。またアート作品は、この美術館のサイトでも販売している。
現代美術の美術館として有名なのは、テートモダン。 しかし、巨大なそのテートモダンとは違い、このサーチギャラリーは、中規模サイズでちょうどいいサイズ。また最近大きくなり最上階に引っ越したアートショップが、充実して非常におすすめだ。
開館30周年を記念した、現在の展示物「POST POP: EAST MEETS WEST」というエキシビジョンが充実していて面白い。各部屋でテーマがわかれていて、110人のアーティスト、250点が展示されている。(通常の2~3倍の作品?)
ポップというアートが最高期を迎えていたころのその後に、ある一定の地域で作製された作品が展示されている。特に面白かったのが、社会主義国のロシアと中国が、西洋の資本主義に影響を受けたころのアートが面白い。レーニン(?)の顔が掲げられたコカ・コーラの広告や、トタン屋根やメガホン拡声器がつけられたマクドナルドのお店など、笑える。
テーマは、6つに分けられ
「Habitat」 「Advertising and Consumerism」 「Celebrity and Mass Media」 「Art History」 「Religion and Ideology」「Sex and the Body」 (以下その写真、撮影までOKだから驚く)
追記だが、このギャラリーの経営者チャールズ・サーチは、2010年、この美術館のすべてを将来国へ寄付することを発表している。
(下写真はすべてクリックすると、拡大します。)
Habitat
作品のすべては、生活にちなんだ物がアートになっている。ゴムでできたトイレや壁にかかる大きな錠枚がよくできている。また雑巾までアートになる感じが気にった。
分解した、当時を席巻した掃除機Hooverの部品のアートもけっこういい。
広告と消費 Advertising and Consumerism
これが、社会主義国中国とロシアの、西洋の消費主義分が入った影響の広告がおもしろい。このマクドナルドの屋台のような壊れそうなお店が何とも笑える。
宗教とイデオロギー Religion and Ideology
インドの宝石大好き主義と、中東のイスラム教までアートになったところがちょっと怖い。この黒い衣装の下には自動でお辞儀をする人形がセットされていて、常に動いている。実際の光景が容易に想像できて怖いものがある。
性と体 Sex and Body
セックスや性の描写の写真、スケルトンがある。このスケルトンの状態がおかしい。
このボトルには、赤い水が入り、人体を表現しているのがうまい。
最上階には、最近大きくなり、より充実したショップがあり、結構アートなものが買えて楽しい。
ショップだけでけっこうな時間が過ごせる。
わたしは、カメラのレンズに工作して、アートな写真が撮れるレンズ(£6.95)を買った。これがその作品。面白いでしょ。
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