12月8日、ケンブリッジ侯爵夫妻、ウィリアムとケイトがアメリカを訪れた時に起きたハプニング。
王室のないアメリカ、王室のルールなど知る由もなく(私だって、こちらに来て知った)、市民は王室のメンバーの体には触れていはいけないRoyal Protocol(王室の協定?)がある。
イギリスの新聞がこぞってこのアメリカのバスケットボールチームClevelandのルブロン・ジェームスが試合の後、写真撮影の時にケイトの肩に手を置いたことを「ケンブリッジ侯爵夫人・ケイトがいかにも居心地が悪そう」と伝えた。
これは、ミシェル・オバマ婦人が2009年にイギリス・エリザべス女王に会見した時、女王の肩に手を置いたことを彷彿とさせるとも。
フレンドリーで体に触れる習慣のアメリカ文化、ややフォーマルな距離のあるイギリスの文化をけっこう浮き彫りにした、小さな事件。
ではいったいロイヤルプロトコールとはなんぞや?
王室のサイトに以下の事が表記されていました。
「女王や、王室のメンバーに会見するときに、特に義務的に強要される応対はないが、たくさんの人が伝統的なフォームで観察したいと思っている。
男性は、頭だけのお辞儀(Neck bow=会釈)、女性は小さなカーティ(Cursty 片膝を折って後ろへ腰を低くするポーズ)、人によっては、通常の握手だけを好むかもしれません。
女王との会見は、女王正式な呼び名、「ユア・マジェスティ(Your Majesty)」で始まり、会話の最後には「マーム(Ma'ma)」を付ける。
男性の王室メンバーにも同じルール、呼び名のタイトル「ユア・ロイヤル・ハイネス」(Your Royal Highness)で呼びかけ、会話の最後に「サー」(Sir)を付ける。
他の女性王室メンバーには、初めに「ユア・ロイヤルハイネス」(Your Royal Highness)と呼び、会話の最後は、「Ma'am」だ。
ここだけを聞いても、一般市民と、王室のメンバーが明らかに格差があることを感じるなぁ。
この王室の格差を縮めたいという考えを持つウィリアムとハリーがまだ王子だったころの逸話がある。
私がセルフリッジ(Selfridge'S)デパートに勤務してた2008年頃、メンズのカジュアルブランドを扱っていたイタリア人同僚は誰ともわからず、レザージャケットを試着させた。
「あなた肩が大きいわね。でも良くフィットしているわ」とその男性の肩を何気に触ると、たくさんのSPが回りをざっと囲んだ。「オーマイゴッド、この男性はきっと重要人物だわ。」と思った彼女。
彼らが去った後で、ほかのスタッフが来て、「さっきの2人誰か知ってるの?試着した人はハリー王子で、横にいた人はウィリアム王子よ。」 (!!)とびっくりの彼女。
王室のメンバーがデパートに買い物に来るケースはこれ以外聞いたことが無い。
外国人スタッフの多いファッションアパレルで、ハリー王子に「ユア・ロイヤルハイネス」と呼ぶスタッフもさることながら、移民次世代の現地人も知らないだろうなぁ。
イギリス王室のサイトRoyal Protocalの表記はないものの、 王室のメンバーへのあいさつの仕方はこちらから
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