ロンドン、フェンチャーチストリートに、20 Fencurch Streetというビルがオープンした。通りの名前がそのままビルの名前だ。
新しい建築物ができると誰がつけるのか、ロンドンの人々は必ずニックネームで呼ぶ。最上階にスカイガーデンがある上部にかけて大きく広がるこのビルは、ワォーキー・トーキー。形が歩きながら話せるトランシーバーのようということか?
新聞や人々の批評は、口々にこのビルのことを批判する。醜いとか、何十年も先にことを考えられていないデザインだとか、エレガントじゃないとか。
しかし、わたしは漫画のようなお茶目なこのキャラクターの建物が結構気に入っている。目鼻を付けると笑えるかわいいビルだと思う。(それが醜い原因だという声が聞こえそう)
建築家は、アルゼンチン出身Rafael Vinoly。(東京国際フォーラムという日本の建築も作っているらしい)
当初200mの高さで申請がされたものの、建築許可が下りず、160mに縮小された。
近くの歴史上の建築物、セントポール大聖堂やロンドン塔などに与えるビジュアルなインパクトが強すぎるということらしい。けれど、低くしても十分インパクトが強いと思うけれど。
この34階建てのビルの最上階にあるスカイガーデンは無料で一般公開されている。その趣旨は、「高層にある皆のための公園」ということらしい。
「入り口で空港並みのセキュリティーチェックがされ、事前に入場時間を予約する必要がある」特異な公園、スカイガーデンだけれども、20ポンドの入場料を払う必要がある川向こうにある「ヨーロッパいち高いビル」とは違い、えらく寛大である。
入り口は、オフィス用とは別のスカイガーデン専用入り口から入る。レストラン行きのエレベーターは、3つしかボタンがなく最上階32階を押すとここに出る。
一気に広がる視界で、その開放感を感じる。
古代バビロニアの空中ガーデンを思い出したけれど、こんな感じだったのかな。
行ったその日は土曜日で、無料入場券は完売していた。奮発してレストランDarwinで食事をすることに。
バーの上部に突き出した四角いボックスがレストランになっているため、テムズ川の景色と共に、窓越しに下の人たちを人間観察できるのも面白い。