先週、また素敵な出会いがありました。
出会いと言っても、お申し込みをいただいたお客様のA.E.さんです。
私は以前にも書いたことがありますが、人々が繰り広げる様々な人生に多大な関心があります。いろいろな人生を過ごした、いろいろな方々とお会いすることが楽しみ。
シェークスピアの人生も同じく、仮に苦労した人生でも、後半の人生で大きく花が咲く人の人生は、なぜそうなったのか。分析することが好きです。
さて、今回のお客様は、会社員でありながら、オペラ歌手のA.E.さん。
シェークスピアの「ロメオとジュリエット」の乳母役が決まっているそうで、シェークスピアの中世の時代を経験したく、また人生の節目にご自分へのお祝いにイギリス旅行をプレゼントされました。
メールの打ち合わせで、要領のいいご希望や回答に、賢くて親切な方の印象を受けます。
当初、会社員と言うだけしか情報をいただいてない時、「ストラトフォード・アポン・エイボンか、オックスフォードか迷っています」というご質問に、そのご希望の背景をお伺いした時、彼女が初めて「趣味」でオペラ歌手であること、その役が決まっていること、将来アン・ブーリン、メアリー・スチュアートのオペラを勉強することが決まっていることなどを伝えてくれました。
ストラトフォード・アポン・エイボンは、皆さんご存知の方も多いかもしれませんが、シェークスピアが生まれた町です。
ロンドンからかなり遠い町ということだけ知っていて、まだ行ったことがなかった私は「シェークスピアの歌劇のためならば、ぜひ行きましょう!」と、それから毎日勉強を始めました。
ホテルお迎え:The Savoy
おー、威厳あるファサード。いつも前を通っても中に入ることはなく、お客様をお迎えする時くらいです。
相変わらずキラキラした、いかにもNobleな雰囲気が漂っています。
A.E.さんがお泊りのホテルにお迎えです。
身分違いかもしれないけれど(イギリスは階級社会)、しかしあんまり違和感を感じない居心地の良ささえ感じてしまう。
暖炉の火がいい感じ。このアンティークでありモダンさがいい。
このサボイホテルは、マリリンモンロー、チャーチル含む往年の有名人が訪れた歴史あるホテル。アメリカFairmount Hotelにより買収、3年間の年月をかけて「修復」され3年前にオープンしました。(グレード1級に指定の建築です。)
暖炉の横でお客様待ち、待機中。
Stratford-Upon-Avonストラトフォード・アポン・エイボン
さて、電車に乗ること2時間。
電車の中でシェークスピアの数奇な人生の歴史のお話をしました。
徒歩五分の距離にあった学校で教育を受けた18歳の青年は、26歳の女性と慌てて結婚し、その6ヶ月後に長女が生まれています。その後双子が生まれた後は、何かから逃げるように(逃げた理由は2つの説あり)ロンドンに単身赴任。この時代では、単身赴任はかなり珍しい。
大学で教育を受けたわけでもない彼には、詩人として劇作家としての傑出した才能があり、みるみる彼の名声が広がります。
お話をしているうちに、電車のちょっとしたハプニングを乗り越えて、ストラトフォード・アポン・エイボンに着きました。
噂には知っていて、今まで訪れる機会がなかった町でしたが、中世がそのまま残る町に感嘆。
日本の木造の古い家屋はほどんど残っていないので、この町の1500年代の木造の家屋が本当に本物かどうか目を疑います。
再生や、偽物を嫌うイギリスですから、やはり本物の16世紀の建物群です。(後世の補強の跡が見れる)
町の至るところがこのチューダー王朝建築です。 すばらしい。
お昼近くに到着なので、まず目指すは腹ごしらえのパブ。数軒を覗いた後、やはり一番歴史を感じるおすすめパブでランチ。
フィッシュ&チップスのパブ飯に飽きていた私たちは、カレーとパスタへ。
イギリス人の一番好きな人気の食事はカレーって知ってました? かなり美味しい。
このパブは、長年、正面にあるシェークスピア劇場の俳優たちが来ることで有名。壁にたくさんの彼らの写真がいい雰囲気。
お腹が落ち着いたら、徒歩数分のところにあるシェークスピア一家が眠る教会へ。
シェークスピアがこの小さな村の村興しをしたと言っても過言でない、その一家が祭壇の一番中央に横に仲良く並んで眠っています。
町は、シェークスピア・バースプレイス・トラスト(Shakesphear Brith Place Trust)という保護団体が家族一家のお家を管理していて、5軒の共通チケットを割安で販売しています。
その時代を忠実に復元し、物知りなスタッフがいろんなお話を聞かせてくれます。いろいろ質問して聞いてみて。
シェークスピアのお父さんは、裕福な手袋を作って売る商人でした。
その家の当時から変わっていないという石の床は、シェークスピアが踏んだ石です。
運がいいと俳優さんがお家にいてくれて、シェークスピアの劇の中の歌を歌ってくれます。
ビデオがアップできなくで残念。
そして最後は、列車に乗る前に1日歩き回った後のお茶休憩。
街で一番古いというこのティールームは、シェークスピアが引退するために町へ戻った年と同じ1610年に建てられた建物です。詳細のその歴史は、メニューの最後のページに書かれているから読んでみてね。
2回行ったけれど、1回目にあったバニラクリームケーキが、珍しくておいしかったです。
店主曰く、イギリスの伝統のケーキらしいですが、ロンドンでは見たことがないケーキです。
紅茶のパック入りも売ってますが、富裕層が住む町なのか、物価は安くない、ロンドン並みでした。
お茶とケーキの写真無くてごめんなさい。いつも待てずに食べてしまいます!
冬の間は、すべての館が夕方四時に閉館します。せっかくの5館の入場できるチケットなのに、3〜4館までが限界でした。
車で移動する離れたところにある奥さんだったアン・ハサウェイのお家など、見るものはたくさん。16世紀の生活や、その時代の女性がいかに働き者だったかわかります。(バターも手作り、危険なお水の代わりに何度も煮るエールなど)
ぜひ、一度行ってみて。